庵野秀明プロフェッショナル感想
2021年03月23日
テレビでNHKをつけたら偶然にプロフェッショナルの庵野秀明スペシャルをやっていて、最後まで観たので感想を書こうと思う
まず庵野秀明監督の印象・・・ちょっとオタクっぽいかんじで清潔感がないかなというのが最初の感想だった。
例えばよく放送される宮崎駿監督なんかは割と清潔感があるかんじなんだけど、庵野監督の場合、太っていて服がおしゃれでなく、ぶしょうひげなんかもそのままなのも関係してるかもしれない。
スタジオのスタッフなんかも同様に、やはりアニメ関係で垢抜けないなーという感じの人がぱっと見で多いのが印象的だった。
映画製作で、今回は現在放映中のシンエヴァの制作に密着したものだったが、一番苦労しているのは、シナリオについてだと思った。
シナリオがAパートからDパートまであり、そのAパートの部分を最初に作ってから、いるかいらないか、また作り直すかで考えていたり、同様に最後のDパートも同じように最後の最後まで、作り直すかどうかを考えていた。
シナリオをどうすべきかは庵野監督が全責任を持っていて、納得のいくものにするためにぎりぎりまで考えている…このあたりはやはりプロフェッショナルだと思った。
いろいろな場面を通じて感じたことは、庵野監督も完璧主義で、最終的に自分が全て納得行っているかどうかは別として、自分が納得行くものを作りたい、そのため細部まで自分が介入するという姿勢は他の大御所のクリエイターと同様に感じられた。
庵野監督個人のエピソードにも触れられていて、幼い頃から何かが欠けているかんじがあって、それは父親が事故で足を失っていてそれを子供の頃に見ていて影響しているのではないかと本人は思っているそう。
例えばエヴァの各キャラクターが、それぞれ孤独やトラウマのようなものを抱えているのにそれが影響しているのかもしれないですね。
若い頃にはジブリで働いていた時期もあり、ナウシカの巨神兵の焼き払えのシーンを描いたのは有名な話ですが、宮崎駿監督いわく「宇宙人が来たと思った。最初来たときにひと目でこいつは面白いと思った。スタジオに住み込んで仕事をひたすらしていた」ということ。鈴木プロデューサーいわく「正直な人。本人が大人になれておらず、作品にもそれが出ている」というコメント。
個人的な感想ですが、映画の制作が佳境になてくるにつれ、最初のほうでは少し緩んでいたように思えるスタジオの空気がはりつめてきて、庵野監督の雰囲気もひきしまっていっているように思えました。
最初のほうは、ちょっとオタクっぽいなーというかんじにも見えたのですが、最後のほうではかっこいいじゃん!というかんじにも見えました。
映画製作というのは本当にとても大変で、面白い、自分が納得行く作品を完成するには芸術家が自分の作品を完成させるようなもので、ビジネス的には割に合うようなものではないかもしれませんが、それに真摯に向き合ってぼろぼろになりながら完成させる庵野監督の姿を感じました。