ブックレビュー「ジャック・ウェルチ わが経営」
2010年07月08日
日本で経営の神様といえば、松下幸之助さんという方が多いと思いますが、私がアメリカ流経営で、経営の神様といえば誰かといえば、このジャック・ウェルチさんだと思っています。
本を読んでいると、彼のエネルギーやポジティブな生き方、考え方が本の文章からひしひしと考えられ、こちらもやる気になってくるのが不思議です。
彼は、本の中でリーダーの条件のうち、先天的にリーダーとなるべき人が持っている能力として「Energize」として、他人にエネルギーを与える能力がある人だと書いていますが、まさに彼はそういうタイプなんだなあと感じます。
彼はGeneral Electoric(GE)の大企業病、官僚主義を徹底的に排除し、実力主義でストレートな会社にするために、かなり過激とも思えることを実行します。下位10%の人間をリストラすること、「No1、No2政策」として、市場からNo1、最低でもNo2にはなれない事業からは撤退するとして、GEの中で歴史と伝統のある事業から撤退したりとか、反対に遭いながらも自分がやるべきだと思うことを断固として実行していきます。
そしてGEの業績は彼のCEO期間中に飛躍的に向上し、「20世紀でもっとも尊敬される経営者」とさえいわれるようになります。
しかし、そのようなWikipediaで調べるような事実よりも、この本は価値があると思います。それは、本を読んでみると、彼が読者である私たちに語りかけてくるように感じられ、そして彼の人柄は大企業のCEOとは思えないほど飾り気がなく温かみがあり、まっすぐでポジティブなエネルギーを分け与えてくれます。
情や和を尊ぶ、家族的な日本流経営、合理的な欧米流経営、ジャックウェルチさんの経営は間違いなく後者の部類の経営です。ただし、その見本となるような良い例といえると思います。
『わが経営〈上〉〈下〉』 ジャック・ウェルチ,ジョン・A・バーン (著), 宮本喜一 (著)
巨大企業ゼネラル・エレクトリック社(GE)の会長兼CEOを務め、「20世紀最高の経営者」として称賛される「ジャック・ウェルチ」が経営者としての奇跡を語った自叙伝とも言える作品『わが経営(原題:Jack: Straight from the Gut)』を読みました。 [わが経営(原題:Jack: Straight from the Gut)] 『非情な人ほど成果を上げる―マキャベリ式最強の仕事術』に続きビジネス書です… 「ジャック・ウェルチ」に関する作品は昨年の2月に読んだ『ジャック・ウェルチの「私な…